2022-12-02 17:41:00

変形性腰椎症

腰痛は、自覚症状として頻度の高い症状です。そして、高齢になるほど増加する傾向があります。つまり多くのお年寄りが腰痛持ちなのです。

腰痛の原因はさまざまで、時々、癌の腰椎転移や、腫瘍、血液の病気(骨髄腫)、感染(脊椎炎)などが認められることがありますので、レントゲン(X線検査)等で正確な診断をする必要があります。

とはいっても、老化によって起こる腰痛の原因は、ほとんどが良性疾患で、その代表的なものが、「変形性腰椎症」、つまり、老化現象によって背骨、腰骨が変形したために起こる痛みです。

変形腰椎症は、朝起きた時の動きはじめの痛みが特徴です。また長時間同じ姿勢を続けたときなども痛みが出やすくなります。

腰痛の部位は、腰部全体に漠然と感じる場合や、棘突起(きょくとっき)とよばれる正中の(いわゆる背骨の真ん中の線上)骨組織の周囲であったりとさまざまです。

また、おしりの部分臀部(でんぶ)や太ももの裏側大腿後面まで、痛みを感じることもあります。

とくに、臀部の痛みは高頻度に見られます。変形が高度になると、外見上も体が側方に曲がったり、後ろに曲がったりし、痛みのため、長時間の立位が困難になってきます。

このような症状がよくなったり、ぶり返したりしながら、数時間かけて少しずつ変形が進んでいきます。

また、高齢になるにつれ、骨がもろくなる骨粗鬆症も合併し、腰椎圧迫骨折を生じたり、変形により神経(脊髄)を圧迫し、坐骨神経痛を生じたりする場合もあります。