2022-12-05 17:43:00
関節拘縮とは
訪問マッサージの患者さんで高齢者の方が、風邪、腰痛、下痢などのちょっとした病気が原因で、大事をとりすぎた結果、廃用症候群を合併して寝たきりになってしまったという話は、珍しいケースではありません。
そうなったことで、関節を動かさない状態が続くと硬くなり拘縮につながっていってしまいます。
関節の周りの軟らかい部分(皮膚、筋肉、腱、靭帯など)の変化が原因で関節の動く範囲が狭くなった状態のことを関節拘縮(かんせつこうしゅく)といいます。
英語ではcontractureと書き「contract=収縮する」という言葉が語源であり、もともとは「関節によって隣り合う2つの部分が、筋肉の収縮によって互いに近づいた状態が継続していること」というような意味があったようです。
しかし、最近では「筋肉の収縮によって互いに近づいた状態が継続していること」は拘縮に含まれないという考え方もあるようです。
神経系の異常などで、筋肉が緊張している状態が原因で関節の動く範囲が狭くなっている場合などは、拘縮に含めないほうがよいという考え方です。
その他にも、痛みなどが原因で、力んでしまって筋肉が収縮しているために、関節が動きにくい場合や、認知症などのためにリラックスしにくく、関節の動く範囲が一時的に狭くなっている場合なども、拘縮とはとらえてないようです。
さらに、関節の動く範囲には「体が硬い、または軟らかい」などと表現されるように個人差や年齢による差があるのも事実です。
まずは、関節拘縮とはどういうことかを考えてみたいと思います。