しびれ
「しびれを放っておくと危険」というお話しを聞いたことはありませんか?
日常生活にさほど支障がない場合、つい我慢をしてしまうことが多い「しびれ」ですが、実はそこに大きな問題が潜んでいる可能性は十分にあります。
たかが、「しびれ」と放っておかず、まずはその原因を探っていきましょう。
神経は、視覚や聴覚や味覚などを脳に伝える感覚系の神経と、脳の指令を体に命じて正常な日常生活を送らせるための運動系の神経に分けられ、両方ともとても大事です。
しびれは、感覚系の神経が傷ついて障害されているという注意信号なのです。
感覚が鈍くなる、なくなるといった赤信号になるまで放っておくうちに、実はとんでもない運動神経の症状が進行していることが多々あるのです。
しびれには、ビリビリと感電したようなもの、ジンジン、チクチクと軽く痛むようなものなど、実に様々な異常感覚があります。
それらが、感覚機能の注意信号だとすれば、放っておくとやがて運動機能にも問題が起こります。
人間の動作は、脳からの命令を運動神経が筋肉に伝えて成り立っています。
もし、その中継点が阻止されてしまうと、脳の命令が遮断され、意図するように手足を動かせなくなったり、思うように筋肉に力が入らなくなったりします。
その結果、ペンや箸をうまく持てなくなったり、筋肉が衰えて歩けなくなったりするなど、今までこなせていた日常の動作が、できなくなってしまいます。
そして、それを体が補おうとすることで無理が重なり、関節の変形や体の他の部分に不調を次々に呼び込んでしまうのです。
誰でも自分が年を取ったことを認めたくないものですが、残念ながら加齢による体の変化は誰にも避けられないことです。
年を重ねるほどに肌のみずみずしさが失われていくように、骨と骨の間でクッションのような役目を果たしている椎間板(ついかんばん)にも、老化現象はやってきます。
長く使ったクッションがくたびれてぺしゃんこになるように、もはやクッションの役割を果たせなくなった椎間板が空気の抜けたタイヤのようにはみ出すと、うしろにある神経を圧迫し、しびれをひき起こします。
こうした症状は初老と呼ばれる中年以降に多くなりますので、働き盛りの40歳代から気をつけていかねばなりません。
また、加齢により骨自体ももろくなり、骨が棘状に出っ張ると、体重や余分な力が加わる時にきしみをあげるようにしびれが起こりやすくなります。
体重の増加も椎間板や骨に無駄な圧力や負担をかけるといえます。