変形性膝関節症
みなさんは、人間が一生のうちで地球5周分もの距離を歩くということをご存知でしょうか?しかも、脚には、一歩踏み出すのに体重の3~4倍、階段の昇降では6~7倍もの負担がかかります。
そうなると、いろいろなひずみが体に生じてしまうのは仕方ないことかもしれません。
そのひずみによって起こる痛みのなかで、膝の軟骨がすり減ったことによって起こるものが「変形性膝関節症」とよばれています。
男女で比べると1:4の割合で女性に多くみられ、肥満や遺伝子も関与しているといわれています。
※肥満度(BMI)=体重(kg)÷(身長(m)×身長(m))
25以上を肥満
その中で、原因がはっきりわからないものを1次性変形性膝関節症といいます。
「変形性膝関節症」は女性の割合が多く、女性ホルモンの分泌が減少する50歳以上の方にかかる率が高くなります。また、女性は男性に比べ、体重を支える筋力、膝を安定させる下半身の筋力が弱いため、膝に負担がかかりやすいのです。
体質的になりやすい人もいて、年齢とともに手指の第一関節が節くれだってくる「ヘバーデン結節」ができる体質の人は、かかる要素が高いともいわれています。
けがなどの後遺症として起こる変形性膝関節症を2次性変形性膝関節症といいます。
原因となるのは、ひざやその周囲の骨折、靭帯損傷、半月板損傷、膝蓋骨の脱臼、膝関節捻挫などです。
細菌感染による病気が原因になることもあります。
けがをした当初は、痛みも少なく、無理がききますが、年齢を重ねるにつれて、徐々に痛みが出てくることがあります。
膝の骨は軟骨という厚さ3~4mmの柔らかい骨でおおわれていて、それがクッションのような役割をしています。
ところが、年齢とともに膝を支える筋力が低下し、関節に不具合がでると軟骨が次第にすり減ってきます。
それにより、痛みが出てくる病態が「変形性膝関節症」です。
はじめのうちは、朝起きたときの「膝のこわばり」や階段を降りるときの痛み程度ですが、進行すると、平地を歩いても痛くなります。
膝に水がたまることもあり、(水は整形外科で抜いてください、くせになるということはないようです。)動き自体も拘縮のため制限されています。
痛みのため活動の世界が小さくなり、痛みと相まって、精神的にも抑うつ的な「孤独な老人」になってしまい、ついには寝たきりになってしまう場合もあります。