主な傷病一覧
在宅ケアの悩み
■ むくみ(下肢浮腫)
足がパンパンで動きにくい・痛い方。
■ 車いす姿勢の崩れ
前に倒れる/横に傾く/肘が張る…など姿勢調整が必要な方。
■ 夜間痛
「寝ると痛い」「姿勢変えると痛い」などの慢性痛。
整形の痛み・可動域低下
■ 脊柱管狭窄症
歩くと痛む、足がしびれる、長く歩けない方のケア。
■ 圧迫骨折(急性期〜慢性期)
骨折後のこわばり・寝返り困難・姿勢悪化に対応。
■ 変形性膝関節症
膝痛、歩行時の不安、立ち上がりの痛みなど。
■ 変形性股関節症
足が開かない、歩行時の痛み、可動域の低下。
脳血管疾患
■ 脳梗塞・脳出血の後遺症(片麻痺)
手足のこわばり、拘縮、歩行障害、痛みのケアが必要な方。
■ 小脳性失調
ふらつき・歩行不安定・バランス低下でお困りの方。
脳卒中・骨折タイプのリハビリ
「なんのためにリハビリをするのでしょう?」
患者さんと向き合うときに、よく聞かれる言葉です。安易には答えられない質問ですが、訪問マッサージのリハビリでは主に3つのタイプのリハビリに分けられています。
そのタイプによって目標やコツも違うということを分かった上でこのご質問にはお答えしていきます。
まず、その一つに脳卒中(脳梗塞、脳出血、クモ膜下出血)・骨折タイプのリハビリを取り上げていきます。
入院中の患者さんは主に訓練室で退院を目標に毎日リハビリを続けてきました。
ところが、退院したとたん毎日続けていたリハビリがなくなります。
実は、退院直後のリハビリが最大の勝負のポイントで、ご自宅での生活のためのリハビリは回復期の延長にあたります。
つまりこの時期に、活動度を上向きにできるかどうかでその後の流れが決まってしまうので、集中的リハビリが最重要となります。
ここでいう「集中的リハビリ」とは、単に患者さんの体をいっぱい動かすということではなく、在宅リハビリを行うための環境整備にも力をいれる、という意味です。
具体的には、医師やケアマネージャーと連携を築き、どこまで回復可能かを予想しリハビリ目標を立てます。
リハビリ目標が立てば何をするべきかのリハビリ内容も決まってきます。
ただし、脳卒中・骨折タイプの方は突然のアクシデントにより、活動度を失っているので、患者さんの「心」の問題も重要です。
障害の受け入れをご本人に強要しないで、あくまでも自発性を大事にして出来ている(今まで、入院中にやられていたリハビリ)ところからのリハビリから始めていきます。
なんのためのリハビリか?
このタイプには生活の中の活動度の低下を最小限にくいとめるためとお答えします。つまり、活動度を維持、向上させ、いままでの快適な人生をより長く続けるためのリハビリなのです。
骨粗鬆症
骨の事を深く考えたことがあるでしょうか?
骨折など具体的に身に起こった時などは、考えることもありますが、普段からあまり意識して考えてはいないと思います。
骨は私たちの身体を支え、脳や内臓を守っています。
また、筋肉は収縮することにより骨を引っ張り、関節を動かします。
人間以外の哺乳類、鳥類、ついでにいうと恐竜も同じような骨格を持っています。
たとえば、恐竜ですと、1億5000万年前のティラノザウルスが人間の骨と基本的な構造がよく似ています。
背骨の一つ一つの形、肩甲骨や骨盤があることも似ていますし、大腿骨の先が球形になって股関節をつくっていることも、上腕や太ももは一本の骨なのに前腕やすねの骨は二本であることも共通しています。
恐竜は絶滅しましたが、骨の形は、その有利さゆえに数億年におよぶ長い進化の中で、保存されているのです。
興味深く、そしてものすごいことだと思います。
骨格だけでなく、骨そのものをみても、骨はすぐれた組織です。
骨にはどんなイメージを持たれていますか?
強い、硬い、白い、変化しない、ポキッと折れる・・・。確かにそうです。
整形外科医は、手術のときは骨をのこぎり(ボーンソーという電動ノコです。)で切ったり、ドリルで穴をあけたり、ヤスリで削ったりしています。
骨を硬くて強い存在として扱っていることも事実です。
しかし、骨はもっとダイナミック、流動的、変化する存在です。
一生にわたり、新陳代謝を繰り返しています。骨の細胞が、常に古い骨を溶かして新しい骨をつくっているのです。こうした骨の新陳代謝、つまり骨代謝にはいくつものメリットがあります。
第一に、古い骨が貯まらず、いつまでも残っていることがありません。骨がずっと変わらずにいると、私たちが年をとるとともに老朽化が進むのは免れません。骨代謝はそれを防いでくれます。
第二のメリットは、成長期の骨の成長を支えていることです。小さな子供の骨が、大人の大きな骨になるためには、形や大きさを相応に変化させなければなりません。
旺盛な身体の成長とともに、適切な骨代謝が行われ、骨の形の調整をしているのです。
変わることのない骨の構造と、常に変わり続ける骨そのものの代謝。
ほんとうに骨はよくできていて、おもしろい存在です。
この骨粗鬆症という病気を通じて骨のことを知れば知るほど、不思議な魅力の存在ともいえるでしょう。
